「今年はちょっと縁起を担ぎたいな」
「神社巡りや御朱印集めも興味ある」
「ついでにサイクリングも楽しみたい」
そんな人にぴったりのコースが、埼玉県川口市にあります。
それが「武州川口七福神めぐり」。
七つの寺院をめぐり、それぞれの福の神に手を合わせながら街を走る——
静けさと活気が交差する川口の街を、自転車でめぐるこの体験は、想像以上に濃くて楽しい時間でした。
この記事では、東川口駅を起点とし、南下しながら七福神を巡るサイクリングルートをご紹介します
ルートの様子や各寺院の見どころ、アクセス方法などもまとめているので、週末のプチ旅の参考にどうぞ。
七福神めぐりって?
七福神とは、恵比寿・大黒天・毘沙門天・弁財天・福禄寿・寿老人・布袋尊の七柱の神様のこと。
商売繁盛、家内安全、学業成就、長寿、金運など、さまざまなご利益があるとされ、年の始まりに七福神を巡って福を呼び込む「七福神めぐり」は、江戸時代から続く日本の文化のひとつです。

川口市には「武州川口七福神」として、市内の7つの寺院が七福神を祀っており、地元の人だけでなく、都内から訪れる人も多い人気のルートです。
写真は、今回訪れた錫杖寺で頂いたものです。
サイクリングで七福神めぐり!どんなルート?
今回のルートは、JR武蔵野線と埼玉高速鉄道が交差する「東川口駅」から出発。

そこから川口駅方面へ南下しながら走っていきます。
ルート全体の距離はおよそ18km。
東川口-東本郷エリアには多少のアップダウンがありますが、全体的には、平坦な市街地が中心なので、自転車初心者でも十分走れるレベルです。
徒歩の場合は5時間以上かかりますが、サイクリングならのんびり走っても3時間ほどで巡れます。
ただし、いろいろ寄り道したくなるので、時間には余裕をもって走りましょう。
それでは、各寺院を紹介しながら、順番に紹介します。
西光院(弁財天)|スタートは東川口駅から
スタート地点は、武蔵野線と埼玉高速鉄道の交差する「東川口駅」。
七福神の最北端に位置しているので、順番に巡るには最適なスタート地点です。
まず最初に訪れるのは「西光院(さいこういん)」。
武州川口七福神めぐりの北の起点となるお寺で、七福神の中で唯一の女神である「弁財天」を祀っています。
弁財天は、学問・芸術・財運の神様。特に受験生やクリエイターに人気があります。

境内には弁天様の像のほか、釈迦涅槃像など見応えのある仏像も点在。
七福神めぐりのスタート地点としてぴったりです。

アクセス:東川口駅から自転車で約5分。やや登り坂あり。
見どころ:涅槃像・静かな境内
密蔵院(大黒天)|安行の自然と共に
次に向かうのは、川口市安行にある「密蔵院(みつぞういん)」。
こちらは七福神のひとり「大黒天」が祀られています。
大黒天といえば、打ち出の小槌に米俵の姿で知られる、豊穣と金運の神。
笑顔を浮かべたお姿がなんとも親しみやすく、人気の高い神様です。

密蔵院は、春にはしだれ桜の名所としても知られており、緑に囲まれた自然豊かな環境が魅力。
境内は広々としており、自転車で立ち寄ってもゆっくりと時間を過ごせます。

アクセス:西光院から自転車で約15分。やや登り坂あり。
見どころ:しだれ桜の並木・本堂前の大黒天像・お守り授与所
寄り道スポット|新郷貝塚公園で古代ロマンに触れる
密蔵院をあとにして、次の傑傳寺に向かう前に、少しだけ寄り道してみましょう。
立ち寄るのは「新郷貝塚(しんごうかいづか)」。
ここは約4000年前の縄文時代中期の貝塚跡で、国の史跡にも指定されている貴重な場所です。

確かに高台ですが、ここまでが海だったかと思うと、まるでタイムスリップしたかのような気分になります。
自転車で巡る七福神ルートのなかに、こうした歴史スポットを挟むと旅の深みがぐっと増します。

アクセス:密蔵院から自転車で約5分(傑傳寺とほぼ同方向)
ひとこと:七福神と縄文人。想像以上に濃いサイクリング旅に。
傑傳寺(恵美寿)|旅と商売の守り神
3つ目は、東本郷にある「傑傳寺(けつでんじ)」。
ここには七福神の中で唯一、日本生まれの神様である「恵美寿神」が祀られています。
恵美寿神は、商売繁盛や旅行安全の神様として知られています。
釣り竿と鯛を持つ姿はおなじみですね。

境内は比較的小規模ですが、地元の人に親しまれている落ち着いた雰囲気。
本堂の前には、にこやかな表情の恵美寿像があり、旅の安全を願いたくなる場所です。

アクセス:密蔵院から自転車で約15分。緩やかな下りが続き快適。
見どころ:恵比寿像・静かな参道・石畳のアプローチ。
正覚寺(布袋尊)|笑う門には福来る
続いては元郷地区にある「正覚寺(しょうがくじ)」。
東本坊の傑傳寺からは、少し離れたところにあります。
正覚寺までのルートは、「芝川サイクリングロード」や「首都高速川口線の高架下」を使うなど、いくつかのルートがあります。
最短に近いルートは、初めにお伝えした通りですが、ご自身にあったルートを探すのも楽しみのひとつです。
途中で、寄ってみたいカフェを組み入れるのもよいでしょう。
ここでは、お腹の出た大柄な姿でおなじみ「布袋尊」を祀っています。
布袋尊は、中国唐代の禅僧を起源とする神様で、笑顔と寛容さを象徴。
家庭円満や平和の神として、多くの人々に愛されています。

正覚寺はエルザタワーの近くにあり、周辺は住宅地ながら静かな環境。

訪問した日は、本殿が工事中でした。※上の写真右上参照。
アクセス:傑傳寺から自転車で約40分。
見どころ:布袋像・境内の植栽・立派な山門。
錫杖寺(福禄寿)|長寿・財運・福徳を授かる
5つ目は本町にある「錫杖寺(しゃくじょうじ)」。
ここでは、幸福・財産・長寿を司る「福禄寿尊」を祀っています。
福禄寿は長い頭と白い髭が特徴の神様。
知恵と品格を感じさせる姿で、多くの人に尊敬されています。

錫杖寺は、境内が広く、訪れる人も多め。
参拝後は周辺の商店街をぶらぶらするのも楽しいです。

アクセス:正覚寺から自転車で約6分。ほぼ平坦で走りやすい。
見どころ:福禄寿像・朱塗りの門・商店街とのコントラスト。
寄り道スポット|ランチ:喫茶 キャンディーラップ
9時頃に東川口を出発すると、11時くらいには川口駅近くに到着すると思います。
そのような時は、早めのランチをしましょう。
おすすめは、川口駅東口から5分くらいのところにある「喫茶 キャンディーラップ」さんです。
お店の方も親しみやすく、なにより料理がおいしいです。
本格的な洋食ランチを味わいたい方には、大変おすすめできます!
「本格的な洋食」と漠然と表現しましたが、食べればわかります。本格的なのです!


妻が「海老ドリア」私が「オムライス」をいただきました。
どちらも、とってもおいしかったです!

次は違うメニューを楽しみたいと思います!
吉祥院(毘沙門天)|勝負の神様に願う
ランチの後の6つ目は、南町にある「吉祥院(きちじょういん)」。
ここでは、戦の神「毘沙門天(びしゃもんてん)」が祀られています。
毘沙門天は、七福神の中でも勇猛な武神として知られ、勝負事や学業成就のご利益があるとされます。
甲冑姿の像は迫力があり、思わず背筋が伸びるような空気感です。

寺院は通り沿いに位置しており、アクセスもしやすいのがポイント。

アクセス:錫杖寺から自転車で約15分。
見どころ:毘沙門天像・重厚な本堂・夕方の光と影。
正眼寺(寿老人)|最後は長寿を願って
ゴールは、川口駅からほど近い「正眼寺(しょうげんじ)」。
ここに祀られているのは「寿老人(じゅろうじん)」。
寿老人は、不老長寿・無病息災の神様として信仰されてきました。
白髭と杖を携えた、温かみのある姿が印象的です。

正眼寺の境内は清潔感があり、どことなく明るい雰囲気。
最後の寺にふさわしい、締めくくりに心が落ち着く場所です。

アクセス:吉祥院から自転車で約5分。
見どころ:寿老人像・清々しい境内・ゴールの達成感。
サイクリングで巡る魅力とは?
徒歩での七福神めぐりも味がありますが、サイクリングなら以下のようなメリットがあります。
- 各寺の間がやや離れているので、効率よく回れる
- 道中の街並みや自然の風景を気軽に楽しめる
- 運動不足解消にもなる!
- 途中で気になるカフェや公園にも立ち寄れる
例えば、途中には安行の緑道や、元郷公園などもあり、ちょっとしたピクニック気分も味わえます。
まとめ|“福”を集める週末ライド、いかがですか?
川口市内を自転車で巡る「武州川口七福神めぐり」は、ただの観光以上に、心を整えるひとときになりました。
それぞれの寺院で感じる空気、静けさ、参拝する人々の表情——その一つひとつが、日常の忙しさから少し離れた時間を与えてくれます。
もちろん、ご利益があるかどうかは信じる人次第。
でも、「今年もいい1年になる気がするな」と思えたら、それだけでこのサイクリングは大成功です。
今回の七福神巡りでは、それそれのご神体をすべて見ることはできませんでした。
※御開帳の日が決まっているようです。
それでも楽しい1日でした。
晴れた週末、自転車に乗って“福”を集める旅に出かけてみませんか?